Into the real NORTH

2018年夏の終わり。ユーコン、ホワイトホースに家族3人で引っ越してきました。夫はユーコンカレッジに入学。私は仕事を探し、息子はもうすぐ2歳。私たち自身情報の少ない中、こちらに在住の方のブログの情報に助けられているので、私たちの暮らしが誰かの助けになればと思っています。

詐欺にひっかかってしまった話 〜後編〜

山本KIDさんがお亡くなりになったのですね。

カナダに行く前に癌で闘病されているというニュースを見て衝撃を受けました。

昔、格闘技が好きでよく見ていました。

かっこ良かったなあ。小さいけれど、強くてカリスマで憧れの選手でした。

かっこ良かったなあ。ありがとうというのもなんかおこがましいけど、ありがとう。

ブログの内容と全然重みが違うのですが、触れておきたかったので。

 

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昨日の続きより。

 

お金がごっそり無くなった事実を前に、朝がこなければいいと思ったものの

案外ぐっすり寝てしまってあっという間に朝は来てしまいました。

私は嫌な事から目を背けるために眠るのが得意なようです。

 

銀行が開くのは9時半から。それまでそわそわしながら、営業開始と同時に窓口へ。

銀行に行ったらどうにかしてくれる!そう思って

しどろもどろになりながら状況を説明しました。

窓口のお姉さんはカードの番号をパチパチっとパソコンに入力し、

パソコンの画面をくるっと私に向けてこう言いました。

「fraud(フロード=詐欺)の疑いがあるのでブロックされています。この電話番号にかけて、ブロックを解除してもらうか、口座を作り直すかとりあえずここに電話をかけて。」

と。

この日私は何度fraudと言ったかわかりません。フラウドだかフロードだか聞いた事ない単語とか思ったけどもう一生忘れません。

フロードで詐欺です。

それで窓口は終了。

とりあえず教えてもらった番号に電話をかけました。

日本でもよくある自動音声対応ですね。

今回は何度もこれに悩まされました。

英語を聞き取りながら、プッシュホンを押しながら、また英語を聞き取るというのはなかなか大変です。

え待って待って!とかしてるうちに

「sorry i cant understand it please call me again」みたいなかんじで強制終了です。

なんとか自分のカード番号、暗証番号を入力したものの

これがまあ繋がらない繋がらない。

待っても待ってもずーっと保留です。

 

何も出来ないのももどかしいので、とりあえず電話は保留にして警察へ。

警察署は開いていましたが誰もおらず、受話器がありました。

そこでも電話!でもそれはすぐに優しそうな女の人に繋がりました。

そこでまたしどろもどろになりながら、一生懸命説明。

最終的にポリスオフィサーが出てきてくれて、被害状況を確認してくれました。

すごく親身になってくれ優しい人でした。

そこで銀行の電話が繋がらないと言う話をしたら、もう一度銀行にいってどうにかしてもらえないか相談してみなさいと言われました。

その足で、次はケータイを復活させに行って(結局電話番号を変える事になりました)

一度帰宅し、お昼ご飯を食べてまた銀行へ。

 

もう一度同じ窓口へ。

「申し訳ないけどもう少し辛抱してみて!ちゃんと繋がるから」

と言われたので電話を持ち帰り

ホテルの部屋でひたすら待つ事20分ほど。

ついに繋がったのです!

やっと!

 

しかしそこからがまた試練。

電話って相手の顔が見えないですよね。

そして普段聞き慣れない単語の嵐。

何度も何度も聞き直して

必死にメモをとって

なんとかわかったことは

お金は1500ドルずつ二回送金されていて、一度は送金が成立してしまっている事。

もう一度は銀行がブロックしたということ。

銀行口座はまったく新しいものを作らなければならない。

クレジット機能をとめなければならない。ただし、クレジットの会社は週末は休みなので月曜日にかけること。

ケータイを完全に初期化する事。

の三つをしなければならないとのこと。

肝心のお金が返ってくるかどうかは5〜10日営業日以内にうんたらかんたらと言ってて結局良くわからないまま電話を切ってしまいました。

わからないことがあったら、また電話を下さいとのことでした。

この時点でわたしの疲労はピーク。また電話をかけるにしてもハードルが高すぎる。

 

その日は、銀行口座を新たにする為の予約をしにもう一度窓口に行って戦闘終了でした。

 

次の日は日曜日だったので、全てを忘れてドライブへ。

日曜日の夕方ぐらいにようやく心が落ち着いてきました。

 

さて月曜日。

夫は学校です。

私は意を決して、教えてもらったクレジット会社に電話をしました。

もちろん自動音声案内です。

もうこの時点で自分がどの番号に当てはまるのかイマイチわからない。

日本語だったらとりあえずオペレーターに繋がればどうにかなるという自信がありますが、英語はきびしい。

 

で正しいのかなんだかわからないまま、オペレーターに繋がったのですが

これがもう驚くほどに聞き取れない。

オペレーターの人ってネイティブじゃないこともよくあるんですね。

電話の上に、アクセントもあいまってほんとに意味不明。

「ノーノー!ミス!アイディドゥントセイザット!」

とのやりとりを何度した事か!

ミスっていうのはミスミセスのミスね。

 

で結局、違う電話番号を教えられてこっちにかけてって言われました。

私の中ではクレジット機能をストップさせることが目的のつもりだったのですが

「違う電話番号にかけてクレジットをアクティベートして」みたいなこと言ってました。

アクティベート?それでいいの?あーーもう!!

このとき息子は電話にかじりつきの私の足下でギャンギャン。

 

もやもやしながら、教えてもらった電話番号にかけると

またもや自動音声案内で、

今度は郵便番号を入力しろと。

カナダの郵便番号って数字とアルファベットなんです。

プッシュホンでの入力方法がわかりません。

先に進めません。

すると、音声入力もできるとのこと。

私なりの完璧な発音で郵便番号を言うも何度やってもAがHに!

なんどエー!といってもエイ!と言っても

エイチに!

しかも郵便番号にはAが二つ!

一つ成功しても一つはエイチに!

何度も何度も郵便番号を叫ぶうち

何かが私の中でプツンと切れました。

 

諦めよう。

 

これはもう無理!

 

無理だわ!カナダ人か英語がもっと出来る人に電話してもらおう。

なんなら、最初の詐欺ダイヤルにもかけてもらって、全部内容を確認してもらおう。

そうしよう。

 

そう思いひとまず、先輩に電話。(車を譲ってもらったユーコンの先輩ですよ!)

きっと私は

自分がすっごい頑張ったんだよ

頑張ったけど全然無理だったんだよっていうことをまず聞いてもらいたかったんですね。

日本語で。

 

ぶわーっとこんなこんなでこんなで、大変で困ってってのを説明して

挙げ句の果てに、代わりに電話してくれませんか?とまで相談。

快諾してくれた先輩ですが、ひとつアドバイスをくれました。

 

「俺も今から支度するけど、もっかい銀行に行ってむっちゃ困ってるっていってみ?私の英語じゃ電話できないっていってみ?とにかくお願いしてみ!」

 

これが神の助言!

それで私はもう一度銀行へ。

 

「困ってる!英語が電話じゃ伝わらないし、何言ってるかもわからない。

電話かけても、結局なにがなんだかわからない。」と必死になっていってみると、窓口の人がオフィスの人に掛け合ってくれて

オフィスの人がたまたま今日の午後ならあいてるから、全部一緒に解決してくれると、

口座も今日作り直してくれると。電話もかけてくれると。

 

その人がまた超いい人!!!!

なにからなにまで全部説明してくれて

口座の違いもクレジットカードの仕組みもすごく時間を使って丁寧に教えてくれて、

お金はちゃんと返ってくる事も、どのくらい日にちがかかるかも全部理解できて。

全部理解できるとはこんなに気持ちのいい事か!と感動。

困ったら、アポイントメントをとって相談してきてね。って。

 

日本とカナダとは少し違って

銀行は人と約束するんですね。口座を開設するにしても、ちゃんとオフィスで誰にも聞かれないところでしっかりやり取りして開設する。

だから行ったその日には作れないし、時間もかかるけど

今回はそのことがとても親切で安心できるんだなと思いました。

お金のことだからこそ。

日本の方が丁寧迅速なサービスであることがほとんどだけど、でもこっちの人も優しい。

困っている事を伝えればちゃんと対応してくれるし、

電話がうまくできなかったら頼ればいいんや。

できないことをできないって言っていいんやととても勉強になりました。

 

あと生活ってやっぱり旅行とは違って

曖昧にしてはだめなこと、はっきりさせなければいけないこと、

わからないことはどんどん聞かなければいけないこと、わからないことはわからないって言わないといけないこと

という当たり前のことがとても大事なんだなと改めて感じました。

 

何はともあれ

お金が返ってくるのがほんとによかった!

 

これに懲りて、以後ほんとに気をつけます!

 

あー長くなった!

 

これにて詐欺話終了です!